子どもがデジタルイラストを描きたがっているけれど、何を用意すればいい?
小学生に高価なiPadを買う必要はある?
初めてのデジタルイラストは、最初から高性能なタブレットや有料アプリをそろえなくても始められます。家にあるタブレットやスマートフォンへお絵描きアプリを入れ、対応するペンを用意すれば、まずは十分です。
結論からいうと、小学生が初めて挑戦するなら、家にあるタブレット+対応するタッチペン+ibisPaintの組み合わせが始めやすいでしょう。子どもが継続して描くようになってから、iPadや筆圧感知に対応したペン、本格的なアプリを検討しても遅くありません。
この記事では、小学生がデジタルイラストを始めるために必要なもの、端末とアプリの選び方、基本操作、練習方法まで順番に解説します。
小学生のデジタルイラストは3つあれば始められる
デジタルイラストを始めるために必要なものは、基本的に次の3つです。
- 絵を描く端末
- 端末に対応したペン
- お絵描きアプリ
| 必要なもの | 最初の選び方 | 費用を抑える方法 |
|---|---|---|
| 端末 | 画面の広いタブレットが使いやすい | 家にある端末を使う |
| ペン | 端末に対応している製品を選ぶ | まずは安価なペンや指で試す |
| アプリ | 初心者向けの操作画面を選ぶ | 無料版から始める |
すでに家庭で使っているiPadやAndroidタブレットがあれば、まずその端末で試しましょう。子どもが数回描いただけで飽きる可能性もあるため、最初から機材一式を購入する必要はありません。
反対に、何度も自分から描く、細かい部分まで描き込みたがる、紙よりデジタルを好むようなら、ペンや端末をアップグレードするタイミングです。
小学生がデジタルイラストを描く端末の選び方
初めてならタブレットが使いやすい
小学生には、画面へ直接描けるタブレットが使いやすいでしょう。紙と同じような感覚で描けるため、パソコンとペンタブレットを別々に操作する方法より迷いにくいことがメリットです。
画面サイズは、持ち運びやすさと描きやすさのバランスがよい10~11インチ前後が目安です。ただし、小学校低学年の子どもには重く感じることもあるため、店頭で実際に持たせてみると安心です。
タブレットを選ぶときは、次の点を確認します。
使いたいペンに対応しているか
ibisPaintなど希望するアプリをインストールできるか
子どもが持ったときに重すぎないか
作品を保存できる容量があるか
ケースや画面保護フィルムを用意できるか
価格だけで選ぶと、使いたいペンが非対応だったり、ペン先と実際の線がずれたりする場合があります。端末とペンの対応表を確認してから購入してください。
スマートフォンはお試し向き
ibisPaintなどはスマートフォンでも利用できます。追加費用をかけず、「デジタルで絵を描くこと自体が好きか」を確かめるには便利です。
ただし、画面が小さいため、全体を確認しながら細部を描く作業には向きません。指や手で画面が隠れやすく、長時間の作業では姿勢も崩れやすくなります。
まずスマートフォンで試し、継続できそうならタブレットへ移行する流れがおすすめです。
パソコンとペンタブレットは本格的に続けたい子向き
パソコンへ板型ペンタブレットや液晶ペンタブレットを接続する方法もあります。
板型ペンタブレットは、手元ではなくパソコン画面を見ながら描くため、最初は慣れが必要です。液晶ペンタブレットは画面へ直接描けますが、パソコンを含めた設置場所や予算も考えなければなりません。
すでにパソコンを使い慣れている子や、将来的に本格的なマンガ・イラスト制作をしたい子には候補になりますが、初めての1台として急いで選ぶ必要はないでしょう。
小学生用のタッチペンを選ぶポイント
タッチペンは、端末の画面に触れれば使える安価なタイプと、端末と接続して使う高機能なタイプに分かれます。
| 種類 | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 一般的なタッチペン | 安価で手軽/筆圧感知は基本的にない | デジタル作画を試したい |
| 端末対応のアクティブペン | 線が安定しやすい/製品により筆圧感知対応 | 継続してイラストを描きたい |
| Apple Pencil | 対応iPadで使用/モデルごとに互換性が異なる | iPadで本格的に描きたい |
線の強弱をつけたい場合は、筆圧感知に対応した端末・ペン・アプリの組み合わせが必要です。ペンだけが筆圧感知対応でも、端末側が対応していなければ機能しません。
また、Apple Pencilは見た目が似ていても、iPadによって対応モデルが異なります。購入前に、使用する端末の機種名と対応ペンを必ず確認してください。
小学生におすすめのデジタルイラストアプリ4選
初めて使うアプリは、機能の多さよりも、子どもが自分でキャンバスを開いて描き始められるかを重視しましょう。
| アプリ | 主な対応端末 | 料金の考え方 | 向いている子 |
|---|---|---|---|
| ibisPaint | iPhone・iPad・Android・Windows・Mac | 無料で始められる版あり | 初めてデジタルで描く |
| Sketchbook | iOS・Android・Windows・Mac | 端末・機能により異なる | シンプルな画面で自由に描きたい |
| Procreate | iPad | 有料・買い切り | iPadで長く描き続けたい |
| CLIP STUDIO PAINT | iPad・Android・Windows・Macなど | 無料体験・有料プランあり | マンガや本格的な作品を作りたい |
料金や無料体験の条件は変更されることがあるため、インストール前に各アプリストアで確認してください。
ibisPaint|最初の1本として始めやすい
ibisPaintは、スマートフォン、タブレット、パソコンに対応するお絵描きアプリです。線画、色塗り、レイヤー、定規など、デジタルイラストに必要な基本機能を使えます。
無料で試せるため、子どもがデジタル作画を続けるかわからない段階に向いています。公式サイトには操作方法のチュートリアルもあります。
一方、無料版では広告が表示される場合があります。小学生が使う場合は、保護者が最初に設定や広告表示、アプリ内課金の仕組みを確認しておきましょう。
Sketchbook|紙に近い感覚で自由に描きたい子に
Sketchbookは、道具やパレットを隠して描画画面を広く使える、比較的すっきりした操作画面が特徴です。鉛筆、ペン、ブラシ、レイヤーなどを使って、スケッチから完成作品まで制作できます。
細かな機能を最初から覚えるより、まず自由に線を描きたい子に向いています。iOS・Androidのモバイル端末と、Windows・Macのパソコンに対応しています。
Procreate|iPadで長く描き続けたい子に
ProcreateはiPad専用の有料イラストアプリです。買い切り型で、継続的なサブスクリプションは必要ありません。
300種類を超えるブラシ、レイヤー、変形、描画補助、タイムラプスなどの機能を備えています。Apple Pencilと組み合わせて、趣味から本格的な作品制作まで長く使いたい子に向いています。
無料アプリで描く習慣がつき、「もっとブラシや表現を増やしたい」と感じた段階で検討してもよいでしょう。
CLIP STUDIO PAINT|マンガや本格的な制作に進みたい子に
CLIP STUDIO PAINTは、イラストだけでなく、マンガや短いアニメーションの制作にも対応するアプリです。初心者が操作を見つけやすいシンプルモードと、細かな設定ができるスタジオモードを切り替えられます。
描画に慣れた子、将来的にマンガを作りたい子、素材や3Dデッサン人形も使って作品を仕上げたい子に向いています。
機能が多いため、最初からすべて覚えようとすると難しく感じる可能性があります。まずはシンプルモードで、ブラシ、消しゴム、塗りつぶし、レイヤーから始めましょう。
迷ったらどの組み合わせで始めればいい?
目的別の始め方をまとめると、次のようになります。
費用をかけずに試したい
- 家にあるスマートフォンまたはタブレット
- 指または手持ちのタッチペン
- ibisPaintの無料で使える版
まず1枚完成させて、本人がまた描きたがるかを確認します。
小学生が快適に続けられる環境を作りたい
- 10~11インチ前後のタブレット
- 端末に正式対応したアクティブペン
- ibisPaint、SketchbookまたはProcreate
- 角度を調整できるタブレットスタンド
机へ置いて描けるようにすると、端末を持ちながら描くより姿勢を保ちやすくなります。
マンガや本格的な作品制作へ進みたい
- iPadとApple Pencil、またはパソコンとペンタブレット
- ProcreateまたはCLIP STUDIO PAINT
- データを保存するクラウドや外部ストレージ
最初からプロ向けの環境をそろえるより、子どものやりたいことが具体的になってから選ぶ方が無駄を減らせます。
小学生がデジタルイラストを始める5ステップ
1.保護者と一緒にアプリをインストールする
アプリのダウンロード、アカウント作成、課金設定は保護者と一緒に行います。子どもだけで自由に購入できないよう、端末側のペアレンタルコントロールも設定しておきましょう。
iPhoneやiPadではスクリーンタイム、Android端末ではGoogleファミリーリンクを使い、アプリのインストールや課金、利用時間などを管理できます。
2.小さめのキャンバスを作る
最初から大きな画像を作ると、端末の動作が重くなったり、完成まで時間がかかったりします。まずはアプリの標準サイズや、正方形のキャンバスから始めれば十分です。
印刷やグッズ制作をする予定がない段階では、解像度などの細かな設定にこだわりすぎる必要はありません。
3.最初に6つの操作だけ覚える
最初に覚えたい基本操作は次の6つです。
- ブラシを選ぶ
- 線の太さと色を変える
- 消しゴムを使う
- 元に戻す
- レイヤーを追加する
- 作品を保存する
特に「元に戻す」と「レイヤー」を覚えると、失敗を怖がらずに描けるようになります。
4.好きなものを1枚完成させる
最初の題材は、顔の描き方やデッサンなどの基礎練習でなくても構いません。好きな動物、食べ物、乗り物、オリジナルキャラクターなど、本人が描きたいものを選びましょう。
上手に描くことより、「背景や色をつけて1枚保存する」ことを最初の目標にします。完成した作品を家族に見せたり印刷したりすると、次も描くきっかけになります。
5.使いたい機能を一つずつ増やす
1枚描くたびに、次のような機能を一つずつ試します。
- レイヤーを線画と色塗りに分ける
- 塗りつぶしを使う
- 手ぶれ補正を調整する
- 左右反転してバランスを見る
- 図形や定規を使う
- タイムラプスを保存する
機能を順番に覚えると、操作方法ばかりを調べて絵が完成しない状態を避けられます。
小学生がデジタルイラストを上達する練習方法
好きな絵を観察して描く
好きなキャラクターやイラストを見ながら描くと、顔の形、色の組み合わせ、服の構造などを観察する練習になります。
ただし、ほかの人の作品をそのままなぞったり模写したりしたものを、自分のオリジナル作品としてインターネットへ公開するのは避けましょう。練習用として家庭内で楽しむ場合と、公開する作品を分けて考える必要があります。
短時間でも定期的に描く
1日に長時間描くより、本人が描きたい日に少しずつ続ける方が習慣になりやすいでしょう。「毎日必ず描く」と決めると負担になる子もいるため、完成枚数や練習時間を保護者が管理しすぎないことも大切です。
過去の絵を消さずに残す
描き終わった作品は、日付がわかるフォルダへ保存しておきましょう。数か月前の作品と見比べると、本人が線や色の変化に気づきやすくなります。
作品データが端末だけに保存されていると、故障や買い替えで消える可能性があります。定期的にクラウドやパソコンへバックアップしてください。
保護者は直すより、工夫した点を聞く
保護者が「目の位置がおかしい」「この色の方がいい」と修正するより、「どこを一番頑張った?」「この色はどうやって決めたの?」と聞く方が、子どもは自分の作品について考えやすくなります。
技術的な修正は、子ども本人が困ったときに一緒に調べる程度から始めましょう。
独学とオンラインイラスト教室の違い
デジタルイラストは独学でも始められます。アプリの公式チュートリアルや動画を見ながら、自分のペースで描けることがメリットです。
一方、次のような場合はイラスト教室も候補になります。
何を練習すればよいかわからない
保護者がアプリの操作を教えられない
描いているのに上達を実感できない
先生から作品のよい点と改善点を教えてほしい
コンテストや展示などの目標がほしい
同じように絵が好きな子と交流したい
| 学び方 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 独学 | 費用を抑えられる/好きな時間に描ける | 練習内容を自分で決める必要がある |
| オンライン教室 | 自宅で講師から助言を受けられる | 月謝がかかる/時間が決まっている |
| 通学教室 | 直接作品を見てもらえる/仲間ができやすい | 送迎や通学時間が必要 |
教室によって、少人数、マンツーマン、発達特性に配慮したクラスなど授業形式が異なります。料金や対象年齢は、子ども向けオンラインイラスト教室おすすめ5選で比較しています。
少人数でキャラクター制作や毎月の課題に取り組みたい場合は、アタムアカデミーも候補です。口コミ、料金、デメリットは、アタムアカデミーの口コミ・評判で詳しく紹介しています。
アタムアカデミーの無料体験を確認する小学生がデジタルイラストを始めるときの注意点
アプリ内課金と広告を保護者が確認する
無料アプリでも、追加素材や広告非表示などにアプリ内課金が用意されている場合があります。子どもが誤って購入しないよう、購入時にパスワードや保護者の承認を求める設定にしておきましょう。
Appleのスクリーンタイムでは、アプリのインストールや削除、アプリ内課金などを制限できます。Android端末では、Googleファミリーリンクからアプリや利用時間を管理できます。
作品を公開するときは個人情報を入れない
作品をインターネットへ公開する場合は、本名、学校名、顔写真、住んでいる地域などがわからないようにします。作品へ手書きで名前を入れた場合も、公開前に保護者が確認してください。
アプリ内の作品投稿機能やコメント機能を使うかどうかも、家庭でルールを決めておきましょう。
描く場所と休憩を決める
端末を膝の上へ置いて長時間描くと、画面との距離が近くなったり、首が下を向いた状態が続いたりします。机、椅子、タブレットスタンドを使い、定期的に画面から目を離して休憩しましょう。
時間だけで一律に止めるより、作品の保存など区切りのよいところで声をかけると、子どもも切り替えやすくなります。
小学生のデジタルイラストに関するよくある質問
デジタルイラストは何歳から始められますか?
端末やペンを安全に扱い、簡単な操作ができれば始められます。明確な開始年齢はありません。低学年はアプリのインストールや保存を保護者が手伝い、描く作業は本人に任せると進めやすいでしょう。
小学生にはiPadが必要ですか?
iPadは必須ではありません。Androidタブレット、スマートフォン、パソコンでも始められます。すでに家庭にある端末で試し、継続できそうなら使いやすいタブレットを検討しましょう。
指でもデジタルイラストを描けますか?
指でも描けます。アプリの操作や色塗りを試すには十分ですが、細い線や細部を描くならペンが使いやすくなります。
中古のタブレットでも大丈夫ですか?
希望するアプリの対応OSを満たし、バッテリーや画面に問題がなければ使用できます。古い端末はアプリの更新対象外になることがあるため、機種名とOSの対応状況を確認してください。また、対応するペンが入手できるかも重要です。
イラスト教室へ通わないと上達しませんか?
独学でも上達できます。本人が楽しんで描き続けられているなら、急いで教室へ通う必要はありません。何を練習すればよいかわからない、作品への具体的な助言がほしいという段階で無料体験を利用するとよいでしょう。
まとめ|まずは家にある端末と無料アプリで試してみよう
小学生のデジタルイラストは、高価な機材を一度にそろえなくても始められます。
最初は次の組み合わせで十分です。
家にあるタブレットまたはスマートフォン
指または対応するタッチペン
ibisPaintなど無料で試せるアプリ
子どもが繰り返し描くようになったら、画面の広いタブレット、筆圧感知に対応するペン、有料アプリなどを順番に検討しましょう。
独学で続けるか、講師から教わるか迷った場合は、子ども向けオンラインイラスト教室5校の比較も参考にしてください。料金だけで決めず、子どもが先生と話しやすいか、描きたい内容を学べるかを無料体験で確認することが大切です。



