育児中、子どもが「パパいや！ママがいい！」と繰り返すことで悩むパパやママは少なくありません。この記事では、その原因や対策を詳しく解説します。
なぜ「パパいや、ママがいい」となるのか？
父子関係の築き方
子どもの「パパいや！」は、生後7ヶ月頃から始まる子が多く、多くの原因は人見知りが始まるからと言われています。生まれたばかりの赤ちゃんは、ママとの密接な関係の中で、安心感や安全感を育みます。ママの温かさ、匂い、声、そしてママの存在そのものが、赤ちゃんにとって唯一無二の存在であり、その安心感は、まるで生命維持装置のように、赤ちゃんの心身に深く刻み込まれます。
しかし、パパは、ママとは異なる存在です。ママのように、お腹の中で9ヶ月間共に過ごしたわけではありませんし、出産という特別な経験を共有したわけでもありません。そのため、赤ちゃんにとって、パパは、ママほど身近で安心できる存在とは、なかなか認識できないのです。
さらに、パパは、ママと比べて、赤ちゃんとの接し方に戸惑うことも少なくありません。ママは、赤ちゃんの泣き声や表情の変化を敏感に察知し、適切な対応ができますが、パパは、その経験が不足しているため、赤ちゃんとの距離を縮めることに苦労するケースも珍しくありません。
このような状況が続くと、赤ちゃんは、パパを「安心できない存在」と認識し、「パパいや！」と拒否反応を示すようになってしまうことがあります。
「ママがいい！」が強調される理由
「パパが嫌い」ではなく、「ママの方が好き」というケースも多いです。
「パパいや！」と叫ぶ子どもの気持ちは、必ずしも「パパが嫌い」というわけではありません。むしろ、ママとの強い愛着関係が、パパとの関係を相対的に薄く見せているだけかもしれません。 ママは、赤ちゃんにとって、安心感、安全感、そして愛情の源です。赤ちゃんは、ママとの深い絆を通して、世界への信頼感を育みます。そのため、ママの存在は、赤ちゃんにとって、他の誰にも代えられない特別な存在なのです。
パパは、ママとは異なる存在であるため、赤ちゃんにとって、ママほどの安心感や安全感を与えることは難しい場合があります。しかし、パパは、ママとは異なる魅力や役割を持っています。パパは、ママとは違う遊び方をしたり、新しい経験をさせてくれたり、時には厳しく叱ってくれたりします。
パパとの関係は、ママとの関係とは異なる、大切な成長の機会となります。パパとの関係を通して、赤ちゃんは、様々な価値観や考え方、そして社会性を学ぶことができます。
愛着形成に向けたアプローチ
毎日のルーティンを大切に
ルーティンを決めることで、子どもが安心感を持てるようになります。
赤ちゃんにとって、毎日の生活リズムは、安心感と安定感を与える大切な要素です。決まった時間に食事をし、お風呂に入り、寝るというルーティンは、赤ちゃんに安心感を与え、心身の発達を促します。
パパも、このルーティンに積極的に参加することで、赤ちゃんとの絆を深めることができます。例えば、毎朝、パパが赤ちゃんを起こして、一緒に朝食を食べたり、お風呂に入れたり、寝る前に絵本を読んであげたりするなど、日常的な関わりを通して、赤ちゃんは、パパの存在を自然に受け入れるようになっていきます。
パパが積極的に関わることで、赤ちゃんは、パパとの時間を心地よいものと感じ、パパとの愛着関係を育むことができるようになります。
パパと一緒に過ごす時間を増やす
みんなで出かける機会を作り、パパに子どもを預ける時間を設けることが重要です。
パパと子どもだけの時間を増やすことは、父子の愛着形成に非常に大切です。しかし、ママがいつもそばにいる状況では、なかなか難しいものです。そこで、積極的にパパと子どもだけの時間を作り出す工夫が必要です。
例えば、週末にパパと子どもだけで公園に行ったり、映画を見に行ったり、一緒に料理を作ったりするなど、パパと子どもだけの特別な時間を設けることで、子どもは、パパとの時間を特別な時間として認識し、パパとの絆を深めることができます。
また、ママも、パパと子どもが一緒に過ごす時間を応援することが大切です。パパが子どもと遊んでいる間は、ママは自分の時間を楽しむなど、パパと子どもが二人きりで過ごす時間を確保しましょう。
ママも協力しよう
「パパのところに行って」とだけ言うのは逆効果。ママも協力が必要です。
「パパいや！」と叫ぶ子どもに対して、「パパのところに行って」とだけ言うのは、子どもにとって、余計なプレッシャーを与えてしまう可能性があります。
ママは、子どもの気持ちを理解し、寄り添うことが大切です。例えば、「パパと遊びたい気持ち、わかるよ。でも、パパも〇〇ちゃんと遊びたいって、すごく喜んで待ってるよ」など、子どもの気持ちを認めつつ、パパとの時間を過ごすことのメリットを伝えるようにしましょう。
また、ママ自身も、パパとの時間を積極的に共有することで、子どもに「パパと過ごすことは楽しい」というメッセージを送ることができます。パパと子どもが一緒に遊んでいる様子を見せることで、子どもは、パパとの時間を安心できるものと感じ、パパとの距離を縮めることができるようになります。
「パパいや」を乗り越えるための工夫
日常生活での工夫
公園や家での遊び時間を工夫して、パパとの楽しい時間を増やしましょう。
パパと子どもが一緒に過ごす時間は、遊びを通して、自然と笑顔が溢れる時間になるように工夫することが大切です。
例えば、公園では、子どもが大好きな滑り台やブランコで一緒に遊んだり、ボール遊びをしたり、砂遊びをしたりするなど、子どもが楽しめる遊びを積極的に提案しましょう。
家では、絵本を読んだり、一緒に工作をしたり、ゲームをしたり、パパが得意なことを教えてもらったりするなど、子どもが興味を持つ遊びを取り入れることで、パパとの時間を楽しく過ごすことができます。
遊びを通して、パパは子どもの笑顔を見ることができ、子どもはパパとの楽しい時間を共有することで、パパとの絆を深めることができます。
特別な時間を設ける
特別なお出かけやイベントを計画してみましょう。特別な時間を共有することは、パパと子どもにとって、特別な思い出を作り、絆を深める貴重な機会となります。
例えば、動物園や遊園地、映画館、美術館など、子どもが興味を持つ場所へ一緒に出かけたり、誕生日やクリスマスなどのイベントを一緒に過ごしたりするなど、特別な時間を計画してみましょう。
特別な時間を通して、パパは子どもとの貴重な思い出を作り、子どもはパパとの特別な時間を共有することで、パパとの絆を深めることができます。
夫婦の協力が鍵
夫婦が協力することで、子どもへの安心感や信頼感が増します。
「パパいや、ママがいい」という状況を改善するためには、夫婦の協力が不可欠です。パパとママが協力して、子どもに安心感と信頼感を与えることで、子どもは、パパとの関係を安心して築くことができるようになります。
例えば、ママは、パパが子どもと過ごす時間をサポートし、パパが子どもと楽しく過ごせるように、協力的な態度を示すことが大切です。パパも、ママのサポートに感謝し、積極的に子どもと関わることで、夫婦で協力して、子どもとの良好な関係を築くことができます。
夫婦が協力することで、子どもは、パパとママの愛情に包まれていると感じ、安心して成長することができます。
年齢別の対応策
0〜2歳のママっ子にはどう対応する？
この時期は、ママ以外との時間も積極的に取り入れることが大切です。
0〜2歳は、ママとの愛着関係が最も強い時期です。この時期は、ママ以外の人との時間も積極的に取り入れることで、子どもは、ママ以外の大人とも安心して過ごせるようになります。
パパは、赤ちゃんのお世話や遊びを通して、積極的に関わることで、赤ちゃんの信頼を得ることができます。例えば、抱っこしたり、おむつを替えたり、一緒に遊んだりするなど、日常的な関わりを通して、赤ちゃんは、パパの存在を認識し、安心感を持つようになります。
また、ママも、パパが赤ちゃんのお世話をする様子を子どもに見せることで、子どもは、パパが自分を大切にしてくれる存在だと認識し、パパとの距離を縮めることができます。
3〜4歳の子どもには？
見通しを伝えることで、子どもが安心して過ごせる環境を作ります。
3〜4歳になると、子どもは、自分の周りの状況を理解できるようになり、将来への期待や不安を感じ始めます。そのため、パパと過ごす時間についても、事前にしっかりと説明することで、子どもは安心してパパと過ごすことができます。
例えば、「今日はパパと公園に行って、滑り台で遊ぼうね」など、具体的な予定を伝えることで、子どもは、パパとの時間を予測することができ、安心してパパと過ごすことができます。
また、パパも、子どもに寄り添い、子どもの気持ちを理解しようと努めることが大切です。子どもの気持ちを理解することで、子どもは、パパに安心感を感じ、パパとの距離を縮めることができます。
5〜6歳の対処法
この時期は警戒心が強まるので、特に安心感を与えることが重要です。
5〜6歳になると、子どもは、自分の周りの世界をより深く理解し、様々なことに興味を持つようになります。同時に、警戒心も強くなり、知らない人や場所に対して不安を感じることも多くなります。
そのため、パパは、子どもに安心感を与えることが重要です。例えば、子どもが安心してパパと過ごせるように、事前に遊びの計画を立てたり、子どもが好きな遊びを一緒にしたり、子どもが不安に感じていることを丁寧に説明したりするなど、子どもの気持ちを理解し、寄り添うことが大切です。
また、ママも、パパと子どもが一緒に過ごす時間を応援することで、子どもは、パパとの時間を安心して過ごすことができます。
まとめ
「パパいや、ママがいい」を解消するためには、父親の積極的な関わりと、夫婦の協力が不可欠です。日常生活での工夫や年齢に応じた対応策を取り入れて、子どもが安心して過ごせる環境を作りましょう。
パパと子どもの関係は、一朝一夕に築けるものではありません。しかし、パパが積極的に子どもに関わり、夫婦が協力することで、子どもは、パパとの絆を育み、安心して成長することができます。
「パパいや、ママがいい」という言葉は、子どもがパパとの関係を築き始めたばかりの証です。焦らず、子どものペースに合わせて、パパとの時間を大切に過ごしましょう。
