授乳中のお腹がすく!その理由と栄養的なケア方法

新生児の赤ちゃんとママ 妊娠・出産

赤ちゃんへの授乳をしていると、お腹がすくことに驚く新米ママは多いのではないでしょうか。実は、授乳はかなりのエネルギー消費がされているため、適切な栄養の取り方や間食が非常に重要になってきます。この記事では、授乳中のお腹がすく理由とその対策方法について解説します。

授乳中にお腹がすく理由

エネルギーの消費が増加する

授乳は、想像以上にエネルギーを消費する活動です。母乳を作るためには、多くのカロリーが必要になります。母乳には、赤ちゃんに必要な栄養素が豊富に含まれており、その成分を生成するためには、母親の体も多くのエネルギーを必要とするのです。そのため、授乳中は、妊娠前よりも多くのカロリーを必要とするため、お腹がすくのは自然な現象と言えます。

ホルモンバランスの変化

出産後、女性の体ではホルモンバランスが大きく変化します。特に、プロラクチンというホルモンは、母乳分泌を促進する役割を担っていますが、同時に食欲を増進させる効果も持ち合わせています。このプロラクチンの分泌が活発になることで、授乳中は、妊娠前よりも食欲が旺盛になる傾向があります。

また、エストロゲンやプロゲステロンといった妊娠中に分泌されていたホルモンの量が減少し、それらのホルモンが食欲抑制に働いていたことから、授乳中は食欲が抑制されにくくなることも考えられます。

ストレスの影響

授乳中は、赤ちゃんのお世話、睡眠不足、ホルモンバランスの変化など、様々なストレスにさらされます。ストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは、血糖値を上昇させ、食欲を増進させる効果があります。そのため、育児のストレスから、無意識に多く食べてしまうことも少なくありません。

また、ストレスによって、甘いものや脂っこいものを食べたくなるという人もいるでしょう。

授乳中の適切な栄養補給方法

栄養バランスがとれた食事

栄養バランスを重視する

授乳中は、赤ちゃんに十分な栄養を供給するためにも、母親自身の栄養状態が非常に重要です。バランスの取れた食事を心がけることで、母乳の質を高め、赤ちゃんが健康に成長するのを助けることができます。

特に、タンパク質、鉄分、カルシウム、ビタミンB群、ビタミンC、葉酸、DHA・EPAといった栄養素は、母乳を通して赤ちゃんに供給されるだけでなく、母親自身の健康維持にも不可欠です。

間食のポイント

授乳中は、頻繁にお腹が空くため、間食も重要な役割を果たします。しかし、間食は、栄養価の高いものを選び、食べ過ぎないように注意することが大切です。

甘いお菓子やジュースなどの糖質過多な間食は、血糖値を急上昇させ、その後急降下させるため、かえってお腹が空いてしまう可能性があります。

また、脂肪分の多い間食は、母乳の質に影響を与える可能性もあります。健康的な間食として、果物、ヨーグルト、ナッツ類、シリアルバーなどがおすすめです。

水分補給を忘れない

水分不足は、脱水症状を引き起こすだけでなく、便秘や疲労感、食欲不振などの原因にもなります。授乳中は、母乳の分泌量を維持するためにも、十分な水分補給が重要です。こまめな水分補給を心がけ、喉が渇く前に水を飲むようにしましょう。

特に、授乳後は、母乳の分泌量が増加するため、水分補給を意識的に行うことが大切です。

授乳中におすすめの間食

フルーツ

フルーツ

フルーツは、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、エネルギー補給にも最適です。また、果糖は、血糖値の上昇が緩やかで、持続的なエネルギー源となります。

りんご、バナナ、オレンジ、キウイ、イチゴなど、様々な種類のフルーツを、旬のものを中心に楽しんでみましょう。ただし、糖質量が多いフルーツもあるので、食べ過ぎには注意が必要です。

オーツバー

オーツバーは、オーツ麦を主原料とした、食物繊維と栄養が豊富な健康的な間食です。オーツ麦は、低GI食品であり、血糖値の上昇が緩やかで、満腹感も持続します。

また、オーツ麦には、タンパク質、ビタミンB群、鉄分、亜鉛などの栄養素も豊富に含まれています。市販のオーツバーは、砂糖や油分が多いものもあるので、原材料を確認して、なるべくシンプルなものを選びましょう。

ナッツ類

ナッツ類は、ビタミンE、マグネシウム、亜鉛、食物繊維などの栄養素が豊富で、エネルギーが持続します。また、ナッツ類に含まれる不飽和脂肪酸は、母乳の質を高める効果も期待できます。

アーモンド、くるみ、カシューナッツ、ピーナッツなど、様々な種類のナッツを、少しずつ、色々な種類を食べるようにしましょう。ただし、ナッツ類はカロリーが高いので、食べ過ぎには注意が必要です。

授乳中に摂りたい栄養素

鉄分の多いほうれん草

鉄分

授乳中は、母乳を通して赤ちゃんに鉄分が供給されるため、母親自身の鉄分が不足しがちになります。鉄分不足は、貧血の原因となり、疲労感や息切れ、動悸などの症状を引き起こす可能性があります。鉄分を多く含む食品としては、レバー、赤身の肉、魚介類、大豆製品、ほうれん草、小松菜などがあります。鉄分の吸収率を高めるためには、ビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取すると良いでしょう。

葉酸

葉酸は、妊娠中だけでなく、授乳中にも必要な栄養素です。葉酸は、赤ちゃんの神経管の形成や細胞の成長に重要な役割を果たします。葉酸を多く含む食品としては、レバー、緑黄色野菜、豆類、穀物などがあります。葉酸は水溶性ビタミンなので、調理方法によっては、損失してしまう可能性があります。葉酸を効率的に摂取するためには、生で食べられる野菜や、加熱時間を短くするなど、調理方法に工夫が必要です。

DHA・EPA

DHA・EPAは、オメガ3脂肪酸の一種で、脳や神経の発達に重要な役割を果たします。DHA・EPAは、母乳を通して赤ちゃんに供給されるため、母親自身も積極的に摂取することが大切です。DHA・EPAを多く含む食品としては、サバ、マグロ、イワシなどの青魚、えごま油、亜麻仁油などがあります。

カルシウム

カルシウムは、骨や歯の形成に不可欠な栄養素です。授乳中は、母乳を通して赤ちゃんにもカルシウムが供給されるため、母親自身のカルシウムが不足しがちになります。カルシウム不足は、骨粗鬆症のリスクを高める可能性があります。

カルシウムを多く含む食品としては、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、小魚、豆腐、ひじきなどがあります。カルシウムの吸収率を高めるためには、ビタミンDを多く含む食品と一緒に摂取すると良いでしょう。

まとめ

授乳中にお腹がすくのは、エネルギー消費の増加、ホルモンバランスの変化、ストレスなど、様々な要因が考えられます。授乳中は、赤ちゃんに十分な栄養を供給するためにも、母親自身の栄養状態が非常に重要です。バランスの取れた食事を心がけ、間食も適切に摂取することで、健康的に授乳を続けることができます。

また、鉄分、葉酸、DHA・EPA、カルシウムなどの栄養素を意識的に摂取することで、母乳の質を高め、赤ちゃんが健康に成長するのを助けることができます。授乳中は、自分の体の声をよく聞き、無理せず、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

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