手づかみ食べをしない・嫌がるのはなぜ?原因と月齢別の対処法

離乳食を手づかみ食べする赤ちゃん 離乳食

離乳食後期に入り、そろそろ手づかみ食べを始めてほしいのに、赤ちゃんが食べ物へ手を伸ばさないことがあります。

食べ物を持たせようとすると嫌がる
触ってもすぐに手を離してしまう
握ったり落としたりするだけで食べない
スプーンで食べさせると食べる
周りの同じ月齢の子と比べて遅い気がする

このような様子を見ると、「発達に問題があるのでは?」「手づかみ食べを練習させた方がいい?」と心配になりますよね。

手づかみ食べを始める時期や興味の持ち方には個人差があります。しないことだけで問題があるとは限らず、まだ発達の途中だったり、手が汚れる感触を嫌がっていたり、食材の形が持ちにくかったりする場合もあります。

無理に食べ物を握らせるのではなく、赤ちゃんが嫌がる理由を考え、取り組みやすい方法から試してみましょう。

この記事では、手づかみ食べをしない・嫌がる原因と家庭でできる対処法、月齢別の考え方、相談した方がよいケースについて解説します。

手づかみ食べを始める時期や基本的な進め方は、「手づかみ食べはいつから?9か月頃が目安|始めるサインと進め方」で詳しく紹介しています。


  1. 手づかみ食べをしなくても無理に練習させる必要はない
  2. 手づかみ食べをしない・嫌がる主な原因
    1. まだ手づかみ食べを始める発達段階ではない
    2. 手が汚れる感触が苦手
    3. 食材が持ちにくい
    4. 食材が硬い・大きいなど食べにくい
    5. お腹が空いていない・空きすぎている
    6. パパやママに食べさせてもらいたい
    7. スプーンやフォークに興味が向いている
    8. 姿勢が安定していない
  3. 手づかみ食べをしないときに家庭でできる対処法
    1. 手づかみ用の食材を1品だけ置く
    2. 食べ慣れた食材から試す
    3. 手が汚れにくい食材から始める
    4. 赤ちゃんが持ちやすい形に変える
    5. 大人が食べる様子を見せる
    6. 食べ物を無理に握らせない
    7. 機嫌のよい時間に短時間だけ試す
    8. スプーンで食べさせながら併用する
  4. 月齢別|手づかみ食べをしないときの考え方
    1. 生後9か月でしない場合
    2. 生後10か月でしない場合
    3. 生後11か月でしない場合
    4. 1歳でしない場合
  5. 手づかみ食べをしないと発達に影響する?
  6. 乳幼児健診や小児科などへ相談したいケース
  7. 手づかみ食べをしない・嫌がるときのよくある質問
    1. 食べ物を触るけれど口へ運ばない場合は?
    2. パンやせんべいだけ手づかみするのは問題?
    3. 手づかみ食べをさせないままスプーンへ進んでもいい?
    4. 手づかみ食べは毎食練習した方がいい?
    5. 1歳を過ぎても手づかみ食べをしない場合は?
  8. まとめ

手づかみ食べをしなくても無理に練習させる必要はない

手づかみ食べは、食べ物を目で確認し、手でつかんで口へ運ぶ動きを経験する大切な機会です。

一方で、始める時期には個人差があり、離乳食後期になったら全員が同じように手づかみ食べをするわけではありません。

厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」でも、離乳食は赤ちゃんの食欲や成長、発達に合わせて無理なく進めることが大切とされています。

手づかみ食べを嫌がる場合は、手をつかんで食べ物を持たせたり、無理に口へ運ばせたりする必要はありません。食事そのものを嫌いにならないよう、赤ちゃんが自分から触ってみようとするのを待ちましょう。

ただし、手づかみ食べをしないことに加えて、離乳食全体をほとんど食べない、飲み込みにくそうにする、体重の増え方が気になるなどの様子がある場合は、乳幼児健診や小児科などで相談してください。


手づかみ食べをしない・嫌がる主な原因

赤ちゃんが手づかみ食べをしない理由は、ひとつとは限りません。

発達の段階、食べ物の感触、食材の形、食事のタイミングなどを順番に確認してみましょう。

まだ手づかみ食べを始める発達段階ではない

一般的に、手づかみ食べは離乳食後期にあたる生後9か月頃から始まることが多いとされています。

ただし、同じ月齢でも離乳食の進み方や手指の発達には個人差があります。

椅子に座った姿勢が安定しない
食べ物へあまり興味を示さない
物をつかんで口へ運ぶ動きがまだ少ない
歯ぐきでつぶせる固さを食べるのが難しい

といった場合は、手づかみ食べを急いで始めなくてもよいでしょう。

まずは現在の月齢や発達に合った離乳食を食べることを優先し、食べ物へ自分から手を伸ばす様子が出てくるのを待ちます。

手が汚れる感触が苦手

食べることには興味があっても、ベタベタする食材や手に付く感触を嫌がる赤ちゃんもいます。

おにぎりやバナナ、やわらかい野菜は手に付きやすいため、触った直後に手を引っ込めたり、保護者に拭いてもらおうとしたりすることがあります。

この場合は、食べ物自体が嫌いなのではなく、感触に抵抗があるのかもしれません。

食材が持ちにくい

食材が小さすぎる、やわらかすぎて崩れる、表面が滑りやすいなど、赤ちゃんのつかみ方に合っていない可能性もあります。

手のひら全体で握る時期に小さな角切りを出しても、うまくつかめません。反対に、指先でつまめるようになっている子には、大きなスティック状より小さめの食材が扱いやすい場合があります。

赤ちゃんが現在どのようにおもちゃを握ったり、指先で物をつまんだりしているかも確認してみましょう。

食材が硬い・大きいなど食べにくい

食べ物をつかんでも口へ運ばない場合は、以前に硬いものや飲み込みにくいものを食べて、嫌な経験をした可能性もあります。

生後9〜11か月頃は、歯ぐきでつぶせるバナナ程度の固さが目安です。大人の指で軽く押したときにつぶせるか確認しましょう。

口へ詰め込みやすい大きさや、弾力が強くかじり取りにくい食材も避け、赤ちゃんの食べる力に合わせて調整します。

お腹が空いていない・空きすぎている

授乳やおやつの直後でお腹が空いていないと、食べ物へ興味を示しにくくなります。

一方で、お腹が空きすぎて機嫌が悪くなっていると、新しい食べ方を試す余裕がなく、いつものように食べさせてほしがることもあります。

授乳やおやつとの間隔、食事の時間、昼寝のタイミングなどを振り返り、比較的機嫌のよい時間帯に試してみましょう。

パパやママに食べさせてもらいたい

食べ物を手に取らなくても、スプーンで口へ運ぶとよく食べる場合は、食欲がないのではなく、食べさせてもらう方が好きなのかもしれません。

甘えたい気分の日や、眠い日、疲れている日は、自分で食べようとしないこともあります。

無理に一人で食べさせようとせず、スプーンで食べさせながら、手づかみできるものを1品だけ置いておく方法でも十分です。

スプーンやフォークに興味が向いている

手づかみ食べよりも、スプーンやフォークを持ちたがる赤ちゃんもいます。

手づかみ食べをほとんどしないまま、食具を使うことへ興味を示す子もいるため、必ず手づかみだけにこだわる必要はありません。

保護者が食べ物をスプーンですくって渡す、やわらかい食材をフォークに刺して渡すなど、本人が興味を持つ方法も取り入れてみましょう。

スプーンを使い始めるタイミングは、「赤ちゃんのスプーン練習はいつから?進め方や嫌がる時の対処法も解説」で紹介しています。

姿勢が安定していない

椅子に座ったときに体が傾く、テーブルが高すぎる、足がぶらぶらして落ち着かない場合は、食べ物へ手を伸ばしにくくなります。

背中や腰を支え、足の裏が床や足置きに付くようにすると、姿勢が安定しやすくなります。テーブルは、腕を無理なく置ける高さが目安です。

赤ちゃんの体格に合った椅子を探している方は、「ベビーチェアおすすめ10選|離乳食に人気の商品を比較」も参考にしてください。


手づかみ食べをしないときに家庭でできる対処法

手づかみ食べを促すときは、うまく食べさせることよりも、「触ってみようかな」と思える環境を作ることが大切です。

手づかみ用の食材を1品だけ置く

最初からすべての離乳食を手づかみ用にする必要はありません。

普段どおりスプーンで食べさせる離乳食に、やわらかくゆでた野菜や食べやすく調整したパンなどを1品だけ加えてみましょう。

食べなくても、見る、触る、握るといった経験になります。

食べ慣れた食材から試す

初めて見る食材よりも、味を知っている食材の方が、口へ運ぶことへの抵抗が少なくなる場合があります。

普段スプーンでよく食べている食材を、手で持てる固さや形に変えて試してみましょう。

手が汚れにくい食材から始める

ベタベタした感触を嫌がる場合は、比較的表面が乾いていて持ちやすい食材から始めます。

軽く焼いた食パン
表面を焼いたおやき
やわらかく加熱して水気を切った野菜
月齢に合った赤ちゃん用せんべい

などが候補になります。

ただし、パンやせんべいなどは口の中にまとまることがあります。一度にたくさん置かず、食べている間は必ず近くで見守ってください。

赤ちゃんが持ちやすい形に変える

手のひら全体で握っている時期は、握ったときに先端が手から少し出る程度のスティック状が持ちやすくなります。

親指と人差し指で小さなものをつまめるようになったら、赤ちゃんの食べる力に合わせて小さく切った食材も取り入れられます。

形だけでなく、歯ぐきでつぶせる固さになっているかも必ず確認しましょう。

大人が食べる様子を見せる

赤ちゃんは周りの人の動きをよく見ています。

保護者が同じ食材を手に取り、ゆっくり口へ運ぶ様子を見せると、興味を持つきっかけになることがあります。

「こうやって食べるの」と何度も教え込むのではなく、一緒に食卓を囲みながら自然に見せる程度で十分です。

食べ物を無理に握らせない

赤ちゃんの手をつかみ、食べ物を握らせて口へ運ぶ方法は、嫌がっている場合には逆効果になることがあります。

食べ物を手の届く位置へ置いたら、赤ちゃんが自分から触るまで待ちましょう。触らない日はスプーンで食べさせ、別の日にまた試しても問題ありません。

機嫌のよい時間に短時間だけ試す

眠い、疲れている、お腹が空きすぎているときは、新しい食べ方を嫌がりやすくなります。

比較的機嫌のよい昼食時などに、数分だけ試してみましょう。嫌がり始めたら無理に続けず、いつもの食べ方へ戻します。

スプーンで食べさせながら併用する

手づかみ食べをしないからといって、スプーンで食べさせるのをやめる必要はありません。

必要な量は大人が食べさせながら、手づかみ用の食材を少量用意します。「自分で食べないなら食事を終わりにする」といった対応は避け、食事量を確保しながら経験を増やしていきましょう。


月齢別|手づかみ食べをしないときの考え方

月齢はあくまで目安です。手づかみ食べだけで判断せず、離乳食全体の進み方や、普段の手指の使い方もあわせて確認しましょう。

生後9か月でしない場合

生後9か月頃は、手づかみ食べが始まり始める時期です。まだ食べ物へ手を伸ばさなくても、すぐに心配する必要はありません。

まずは食べ慣れた食材を1品置き、見る、触るといった経験から始めます。座った姿勢や離乳食の固さが、現在の発達に合っているかも確認しましょう。

生後10か月でしない場合

生後10か月でも、手づかみ食べに興味を示さない子はいます。

スプーンで食べれば離乳食を食べられ、おもちゃなどをつかんで口へ運べている場合は、手の動きができないのではなく、食べ物を手で触りたくない可能性もあります。

手が汚れにくい食材や、好きな食材から試してみましょう。

生後11か月でしない場合

生後11か月頃は、指先で小さなものをつまむ動きが増えてくる時期です。

大きなスティック状を嫌がる場合は、赤ちゃんのつまむ力と食べる力に合わせて、持ちやすい形を変えてみる方法があります。

ただし、小さく切るだけでは窒息対策になりません。固さや形が発達に合っているか確認し、食事中は大人が見守りましょう。

1歳でしない場合

1歳になって手づかみ食べをしない場合でも、それだけで発達に問題があるとは判断できません。

スプーンやフォークへ興味を持っている、食べさせてもらえばさまざまな固さのものを食べられる、普段の遊びで手指を使えているなど、全体の様子を確認します。

一方で、固形物をほとんど食べられない、頻繁にむせる、体重の増え方が気になる、食べ物だけでなくおもちゃなどにもほとんど手を伸ばさない場合は、健診や小児科などで相談しましょう。


手づかみ食べをしないと発達に影響する?

手づかみ食べは、食べ物を目で確認し、手でつかみ、口へ運ぶ一連の動きを経験できる機会です。食材の固さや温度、一口量を知ることにもつながります。

ただし、手づかみ食べを始める時期や回数には個人差があります。手づかみ食べをしないことだけで、すぐに発達の問題と結びつける必要はありません。

おもちゃをつかむ、指先で物をつまむ、スプーンを持つなど、手指を使う経験は日常生活の中にもあります。

手づかみ食べだけを練習させるのではなく、赤ちゃんが興味を示す方法で「自分で食べる」経験を少しずつ増やしていきましょう。


乳幼児健診や小児科などへ相談したいケース

手づかみ食べをしないだけで、すぐに受診が必要になるわけではありません。

ただし、次のような様子がある場合は、乳幼児健診、小児科、自治体の管理栄養士などへ相談してください。

離乳食全体をほとんど食べない状態が続いている
固形物を飲み込みにくそうにしている
食事のたびに頻繁にむせたり、強くせき込んだりする
食べられる固さや形が長期間変わらない
体重が増えない、または成長曲線から外れてきた
食べ物だけでなく、おもちゃなどにもほとんど手を伸ばさない
手の動きに強い左右差がある
できていた食べ方や手の動きが見られなくなった

離乳食の進み方については、自治体の保健センターや子育て相談窓口で管理栄養士へ相談できる場合もあります。

口の動きや噛み方が気になる場合は、小児科のほか、小児歯科などで相談できることもあります。気になる様子を動画に残しておくと、相談時に状況を伝えやすくなります。


手づかみ食べをしない・嫌がるときのよくある質問

食べ物を触るけれど口へ運ばない場合は?

触る、握る、つぶすだけでも、食材の感触や固さを知る経験になります。

すぐに口へ運ばなくても、まずは自分から触れたことを大切にしましょう。無理に手を口へ近づけず、保護者が食べる様子を見せながら待ちます。

パンやせんべいだけ手づかみするのは問題?

パンや赤ちゃん用せんべいなど、表面が乾いた食材だけを手づかみする場合は、ベタベタした感触が苦手なのかもしれません。

まずは触れる食材から経験を増やし、慣れてきたら表面を焼いたおやきや、水気を切ったやわらかい野菜なども試してみましょう。

手づかみ食べをさせないままスプーンへ進んでもいい?

手づかみ食べをまったく経験させる必要がないというわけではありませんが、本人がスプーンに強く興味を示している場合は、食具の練習を並行して構いません。

スプーンで食べながら、手で持てる食材も少量置き、本人が好きな方法を選べるようにしてみましょう。

手づかみ食べは毎食練習した方がいい?

毎食取り入れる必要はありません。

保護者と赤ちゃんに余裕がある時間帯に、1日1回、1品から試すだけでも十分です。嫌がる日は休み、数日後にもう一度試してみましょう。

1歳を過ぎても手づかみ食べをしない場合は?

1歳を過ぎても、手づかみ食べをしない子はいます。

離乳食を食べられているか、固さを進められているか、普段の遊びで手指を使えているかなどを確認しましょう。食事や発達についてほかにも気になる様子がある場合は、1歳児健診や小児科、自治体の栄養相談などで相談してください。


まとめ

赤ちゃんが手づかみ食べをしない・嫌がる理由には、次のようなものがあります。

まだ手づかみ食べを始める発達段階ではない
手が汚れる感触が苦手
食材の形や固さが合っていない
お腹が空いていない、または空きすぎている
パパやママに食べさせてもらいたい
スプーンやフォークに興味が向いている
食べる姿勢が安定していない

まずは食べ慣れた食材を1品だけ置き、赤ちゃんが自分から触ろうとするのを待ちましょう。

無理に握らせたり口へ運ばせたりせず、スプーンで食べさせる離乳食と併用しながら進めて問題ありません。

ただし、離乳食全体をほとんど食べない、頻繁にむせる、体重の増え方が気になる、手の動きにも気になる点がある場合は、乳幼児健診や小児科、自治体の管理栄養士などへ相談してください。

周りの子と比べすぎず、赤ちゃんが興味を持てる食べ方を少しずつ探していきましょう。

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