手づかみ食べで食べ物を投げるのはなぜ?遊び食べへの対処法

離乳食でイヤイヤしてしまう子どもの様子 離乳食

手づかみ食べを始めると、食べ物を床へ落としたり、遠くへ投げたりすることがあります。

せっかく作った離乳食を何度も投げられると、

遊ばずに食べてほしい
きちんと叱るべき?

と悩みますよね。

結論からいうと、赤ちゃんが食べ物を投げるのは、手の動きや物が落ちる様子を確かめている、満腹を伝えている、大人の反応を見ているなど、いくつかの理由が考えられます。

まだ食事のマナーを十分に理解できる時期ではないため、強く叱るだけでは改善しにくいものです。

まずは少量ずつ盛り付け、投げたときは大きく反応せず、「食べ物はお皿に置こうね」と短く伝えます。何度も繰り返し、食べる様子がない場合は、だらだら続けず食事を切り上げてよいでしょう。

この記事では、手づかみ食べで食べ物を投げる理由、家庭でできる対処法、避けたい対応、遊び食べを相談する目安を解説します。

  1. 手づかみ食べで食べ物を投げる6つの理由
    1. 手を開く・物を落とす動きを試している
    2. 食べ物の感触や性質を確かめている
    3. お腹がいっぱいになった
    4. 食事に飽きた・ほかのことが気になる
    5. 大人の反応を見ている
    6. 食べにくい・好みに合わない
  2. 食べ物を投げるときの8つの対処法
    1. 1.最初から全量を出さない
    2. 2.大きく反応せず、短い言葉で伝える
    3. 3.「いらないものを置く場所」を作る
    4. 4.食べている間は自分で触らせる
    5. 5.食事に集中できる環境を整える
    6. 6.空腹と食事の間隔を見直す
    7. 7.投げる遊びは食事以外の時間にする
    8. 8.食べる様子がなければ切り上げる
  3. 投げ始めたら食事を終わりにしてよい?
  4. 何歳頃まで食べ物を投げる?
  5. 食べ物を投げるときに避けたい対応
    1. 大声で怒鳴る・長時間叱る
    2. 無理に口へ入れる
    3. 落とした食べ物を何度も皿へ戻す
    4. 手づかみ食べを全面的に禁止する
    5. 毎回違う対応をする
  6. 投げられても片付けやすい環境を作ろう
  7. 相談した方がよい目安
  8. よくある質問
    1. 食べ物を投げたら叱った方がよいですか?
    2. 投げるたびに拾った方がよいですか?
    3. 一口しか食べずに投げた場合も終了しますか?
    4. 手づかみ食べをやめて、全部食べさせた方がよいですか?
    5. 2歳・3歳になっても投げるのはおかしいですか?
  9. まとめ|投げたときは短く伝え、繰り返すなら切り上げよう
  10. 参考資料

手づかみ食べで食べ物を投げる6つの理由

手を開く・物を落とす動きを試している

赤ちゃんは成長とともに、自分の意思で物をつかみ、手を開いて離せるようになります。

食べ物を落とすと音がする、形が崩れる、床まで落ちるといった変化は、赤ちゃんにとって興味深いものです。同じことを何度も繰り返しながら、自分の動きと周囲の変化を確かめています。

食べ物を投げる行動だけを見て、「わざと困らせようとしている」と決めつける必要はありません。

食べ物の感触や性質を確かめている

手づかみ食べには、食べ物を触り、握り、硬さや温度を確かめる経験も含まれます。

握るとつぶれる、手にくっつく、テーブルに落とすと形が変わるなど、食べ物の性質を学んでいる途中です。

すぐに口へ運ばなくても、触ること自体が食べ物に慣れる経験になる場合があります。

手づかみ食べの役割や始め方は、手づかみ食べはいつから?9か月頃が目安|始めるサインと進め方で詳しく解説しています。

お腹がいっぱいになった

食事の前半は食べていたのに、途中から投げ始めた場合は、満腹になった可能性があります。

まだ「もういらない」「ごちそうさま」と言葉で伝えられないため、顔を背ける、口を閉じる、食べ物を落とすといった行動で示すことがあります。

投げ始める前にどのくらい食べていたか、口へ運ぶ動きが残っているかを確認しましょう。

食事に飽きた・ほかのことが気になる

おもちゃやテレビが見える、家族が立ったり歩いたりしているなど、周囲に刺激が多いと食事以外へ注意が向きやすくなります。

食べることへの集中が切れた結果、食べ物や食具が遊び道具になることもあります。

大人の反応を見ている

食べ物を落とすたびに、大人が大きな声を出したり、急いで拾ったりすると、その反応がおもしろくて繰り返す場合があります。

赤ちゃんに悪意があるわけではありません。「落とすと大人が反応する」というやり取りを楽しんでいる可能性があります。

食べにくい・好みに合わない

硬さや大きさが合わない、手でつかみにくい、味や食感が苦手といった理由で、口へ運ばず投げることもあります。

特定の食材だけを投げる場合は、嫌いと決めつける前に、硬さ、温度、形、つかみやすさを見直してみましょう。

食べ物を投げるときの8つの対処法

1.最初から全量を出さない

一度にたくさん盛り付けると、両手でつかんで落としたり、皿ごとひっくり返したりしやすくなります。

最初は1〜2個、または少量だけ子どもの皿へ置き、食べたら追加しましょう。

投げられる量を減らせるだけでなく、食べるペースや満腹のサインも確認しやすくなります。

2.大きく反応せず、短い言葉で伝える

投げるたびに大声で叱ったり、長く説明したりすると、大人の反応自体が遊びになることがあります。

低く落ち着いた声で、次のように短く伝えましょう。

「食べ物は投げないよ」
「いらないときは、ここに置こうね」
「食べるものはお皿に戻そうね」

一度で理解させようとせず、同じ対応を繰り返します。

3.「いらないものを置く場所」を作る

満腹や苦手な食材を伝えるために投げている場合は、食べないものを置く小皿やスペースを用意します。

投げようとしたら手を添えて、「いらないものはここ」と示しましょう。

言葉が増えてきたら、「いらない」「ごちそうさま」のジェスチャーや言葉も一緒に伝えます。投げる以外の伝え方を覚えると、少しずつ置き換えられる可能性があります。

4.食べている間は自分で触らせる

汚れるからと手づかみ食べをすべて止め、大人が食べさせるだけにすると、「自分で触りたい」という意欲を満たせない場合があります。

投げずに触ったり、口へ運んだりしている間は見守りましょう。

食べ物を握っただけで毎回手を拭くのではなく、食事の最後にまとめてきれいにする方法もあります。

5.食事に集中できる環境を整える

食事前におもちゃを片付け、テレビや動画を消します。食卓から気になるものが見える場合は、椅子の向きを変えるのも一つの方法です。

足の裏が床や足置きにつき、体が安定するように椅子とテーブルの高さも調整しましょう。

千葉市も、食べる時間と遊ぶ時間を区切るため、おもちゃを片付けてテレビを消し、大人もできるだけ一緒に食卓を囲むよう案内しています。

6.空腹と食事の間隔を見直す

食事の直前に母乳やミルク、おやつを多くとっていると、空腹を感じず遊び始めることがあります。

熊本市の離乳食Q&Aでも、遊んで食べない場合は、前の授乳や食事との間隔を見直すことが勧められています。

一方で、空腹が強すぎて機嫌が悪くなる子もいます。生活リズムとその日の様子を見ながら、落ち着いて食卓につける時間を探しましょう。

7.投げる遊びは食事以外の時間にする

物を落とす・投げる動きそのものに興味がある場合は、食事以外の時間に安全な遊びとして経験させます。

やわらかいボールを箱へ入れる、布をかごから出す、積み木を容器へ落とすなど、手を開いて物を離す遊びがあります。

「投げていいもの」と「食べるもの」を少しずつ分けて伝えていきましょう。

8.食べる様子がなければ切り上げる

何度伝えても投げ続け、口へ運ぶ様子がなくなったら、「投げるならごちそうさまだよ」と伝えて食事を終えてかまいません。

札幌市は、遊び食べや散らかし食べで集中できない場合、だらだら食べさせず30分程度で切り上げることを一つの目安として示しています。

ただし、30分は絶対的な基準ではありません。食べ始めてすぐに投げた場合、まだ空腹なのか、食べにくいのか、眠いのかなどを確認します。

食事を切り上げた直後にお菓子や好きなものを出すと、「投げれば別のものが出る」と覚える可能性があります。次の食事や決めた補食の時間まで、生活リズムに沿って対応しましょう。

投げ始めたら食事を終わりにしてよい?

一度落としただけで、すぐに全部片付ける必要はありません。

最初は「食べ物は投げないよ」「いらないなら小皿へ置こう」と伝え、少量だけ出して様子を見ます。

次のような状態になったら、食事を切り上げる目安です。

食べ物をほとんど口へ運ばなくなった
何度伝えても、続けて投げる
椅子から降りたがる、眠そうにする
顔を背ける、口を閉じるなど満腹の様子がある
食具や食器を投げ始め、安全に続けにくい

「もう終わり?」と一度確認し、「ごちそうさま」をして片付けます。追いかけて食べさせたり、遊びながら一口ずつ口へ入れたりすると、食事と遊びの区切りが分かりにくくなります。

何歳頃まで食べ物を投げる?

食べ物を投げる時期には個人差があり、「○歳までにやめる」という明確な期限はありません。

手の動きを試す時期から始まり、満腹や拒否を言葉で伝えられるようになると、徐々に減っていくことがあります。一方、2歳頃になると、大人の反応を見たい、意思を通したいといった理由で投げる場合もあります。

千葉市は、3歳頃までは遊び食べが多い時期として、食事に集中する時間であることを繰り返し伝えるよう案内しています。

2歳、3歳で遊び食べが残っていることだけで、すぐに発達の遅れとは判断できません。年齢だけでなく、食事量、成長、言葉やジェスチャーで意思を伝えられるか、少しずつ行動が変化しているかを見ましょう。

食べ物を投げるときに避けたい対応

大声で怒鳴る・長時間叱る

大声で驚かせると一時的に止まることはありますが、食事そのものが怖い時間になる可能性があります。

また、大人の大きな反応を楽しんでいる場合は、かえって繰り返すこともあります。短く伝え、続くときは食事を終えるという一貫した対応が基本です。

無理に口へ入れる

投げた分を食べさせようとして、口を開けさせたり、追いかけて食べさせたりするのは避けましょう。

満腹や苦手というサインを無視すると、食事への抵抗が強くなる場合があります。

食べる量が少ない、食事そのものを嫌がる場合は、手づかみ食べをしない・嫌がるのはなぜ?原因別の対処法も参考にしてください。

落とした食べ物を何度も皿へ戻す

床に落ちた食べ物を拾って何度も皿へ戻すと、投げて拾ってもらうやり取りが続きます。

衛生面からも、床へ落ちたものは別の容器へよけ、食べさせない方が安心です。拾うのは食事が終わってからでもかまいません。

手づかみ食べを全面的に禁止する

食べ物を投げるからといって、手づかみ食べそのものをやめる必要はありません。

少量ずつ出す、投げずに食べられる料理を選ぶ、食具と手づかみを併用するなど、経験を残しながら負担を減らします。

スプーンやフォークへの移行については、手づかみ食べはいつまで?スプーン・フォークへの移行時期と進め方で解説しています。

毎回違う対応をする

ある日は笑って拾い、別の日は強く叱ると、子どもは食卓のルールを理解しにくくなります。

家族の中で、「投げたら短く伝える」「いらないものは小皿へ」「繰り返したら終了」など、基本的な対応をそろえておくと進めやすくなります。

投げられても片付けやすい環境を作ろう

投げる行動はすぐにゼロにならないため、対応と同時に片付けの負担も減らしましょう。

床に拭けるマットやシートを敷く
ポケット付きや袖付きのエプロンを使う
汁物は最初から少量だけ入れる
割れにくく安定しやすい食器を使う
掃除用の布やウェットシートを近くに用意する
ペットが食べてはいけない食材を拾わないよう、食事中は離す

片付けやすい環境があると、投げた瞬間に強く反応せず、落ち着いて対応しやすくなります。

床・服・椅子の具体的な対策や便利グッズは、手づかみ食べの汚れ対策|床・服・椅子をラクに片付ける方法にまとめています。

相談した方がよい目安

食べ物を投げること自体は、乳幼児期に見られることがあります。ただし、次のような場合は、小児科や自治体の乳幼児健診、栄養相談などを利用しましょう。

ほとんどの食事を食べず、投げて終わる状態が続く
食べられる食品が極端に少ない
体重増加や成長が心配
食事中に繰り返しむせる、せき込む、吐く
食べ物の硬さや感触への拒否が強く、食事を進められない
言葉や動作、全身の発達についても気になることがある
保護者の負担が大きく、食事の時間がつらい

食事量や成長に問題がないかを確認したうえで、家庭に合う対応を一緒に考えてもらえます。

よくある質問

食べ物を投げたら叱った方がよいですか?

投げてよいと放置する必要はありませんが、大声で怒鳴ったり長く叱ったりするより、「食べ物は投げないよ」「いらないならここへ置こう」と短く伝えます。繰り返すときは食事を切り上げ、対応を一貫させましょう。

投げるたびに拾った方がよいですか?

すぐに拾うと、大人とのやり取りが遊びになる場合があります。安全上問題がなければ食事が終わってから片付け、代わりの食べ物は少量ずつ出します。床へ落ちた食べ物を再び食べさせるのは避けましょう。

一口しか食べずに投げた場合も終了しますか?

すぐに終了する前に、空腹、眠気、食材の硬さや温度、食事の間隔を確認します。少量を出し直しても投げ続け、食べる様子がなければ切り上げてかまいません。少ない食事が続く場合は、健診や栄養相談で確認しましょう。

手づかみ食べをやめて、全部食べさせた方がよいですか?

手づかみ食べを全面的にやめる必要はありません。自分で食べる経験を残しながら、少量ずつ出す、食具を併用する、大人が一部を食べさせるなど、家庭と子どもに合う方法を組み合わせましょう。

2歳・3歳になっても投げるのはおかしいですか?

2歳や3歳でも遊び食べが見られることはあります。年齢だけで問題とは判断できません。満腹や「いらない」を別の方法で伝えられるよう教え、投げたときの対応をそろえます。食事量や成長、発達についても心配がある場合は専門職へ相談してください。

まとめ|投げたときは短く伝え、繰り返すなら切り上げよう

手づかみ食べで食べ物を投げるのは、物を落とす動きを試している、食べ物の感触を確かめている、満腹や拒否を伝えているなど、さまざまな理由が考えられます。

最初から全量を出さず、少量ずつ盛り付けましょう。投げたときは大きく反応せず、「食べ物は投げないよ」「いらないなら小皿へ置こう」と短く伝えます。

何度も投げて食べる様子がない場合は、だらだら食べさせず「ごちそうさま」にしてかまいません。強く叱ったり無理に食べさせたりせず、家族で対応をそろえることが大切です。

投げられた後の掃除が負担になっている方は、手づかみ食べの汚れ対策|床・服・椅子をラクに片付ける方法もあわせてご覧ください。

参考資料

※参考資料は2026年8月17日に確認しました。公的機関の情報は更新されることがあるため、最新の内容もご確認ください。

※この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の発達や栄養状態を判断するものではありません。心配な場合は、小児科や自治体の乳幼児健診などへご相談ください。

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